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不動産売却の期間はどれくらい?3ヶ月周期の裏事情

不動産売却の期間はどれくらい?3ヶ月周期の裏事情

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転勤の内示が出た、あるいは実家を相続した。売却を考え始めた人が最初にぶつかるのが「で、いつ現金になるの?」という問いです。住み替え先の契約や納税の期限が先に決まっていると、この見通しが立たないまま動くのは相当こわい。

先に数字を置きます。相談から引渡しまでで5〜6ヶ月、売り出しから成約までに限れば3ヶ月前後が一般的な目安です。ただし、この期間が伸びるとき、その原因が「相場」ではなく「入口の査定額」にあるケースを、僕は現場でそこそこ見てきました。今日はそこを分解します。

不動産売却にかかる期間はどれくらい?平均3〜6ヶ月の中身を分解する

不動産売却にかかる期間は、相談から引渡しまでのトータルで5〜6ヶ月、売り出しから成約までの「売却活動期間」だけなら首都圏中古マンションで平均85.3日(約2.8ヶ月)、中古戸建てで97.3日(約3.2ヶ月)が目安です(公益財団法人東日本不動産流通機構の公表データより)。世の中の記事が「3〜6ヶ月」とざっくり書くのは、この二つの数え方が混ざっているからです。

工程順に見ると、こうなります。まず相場を調べて査定を依頼するまでに1〜2週間。査定額の比較と会社選びで2週間ほど。媒介契約を結んで売り出し開始、ここから買主が決まるまでが約3ヶ月。売買契約を結んでから引渡しまでにさらに1〜2ヶ月。足し上げると5〜6ヶ月です。

注意してほしいのは、この3ヶ月は「平均」であって「保証」ではないということ。成約に至った物件だけを集計した数字なので、売れずに取り下げた物件や、1年以上市場に出続けている物件はこの平均に入っていません。実務の感覚では、価格設定さえ外していなければ3ヶ月圏内に収まりますが、外すと半年でも決まりません。

そして期間を最も強く左右するのが、売り出し価格です。ここが本題です。

媒介契約は3ヶ月更新——値下げ提案が出るタイミングは市場ではなく契約書で決まっている

売主のところに値下げ提案が来るタイミングは、市場の動きではなく媒介契約のサイクルで決まっています。媒介契約は3ヶ月更新で、僕が在籍していた会社では「1回の契約期間で1回は価格改定を提案する」という流れが社内で定着していました。提案が出るのは契約期間の後半。つまり売り出しから2ヶ月を過ぎたあたりです。

提案の場では、反響数や内見数を示す資料を用意し、数字を根拠に説得します。たとえば内見が数件あったのに購入申込には至っていない、といった数字を並べて見せる形です。売主からすれば、データを見せられて丁寧に説明されているわけですから、納得しやすい。

ここまでは営業として真っ当な仕事です。問題は説明の中身のほうにあります。

値下げの理由は、たいてい「相場が動いている」「同じマンションで競合が出た」といった外部要因で語られます。事実そういうケースもある。ただ、実際には最初の査定額が高すぎたことが原因のケースもありました。媒介契約を取るために強気の数字を出し、売り出してみたら反応が薄く、契約更新前に現実的な価格へ戻す。この流れになると、売主は最初の2〜3ヶ月をほぼ丸ごと使って「高すぎる価格で市場に晒す」ことになります。売却期間が伸びる構造的な原因は、たいていここです。

しかも中古住宅の市場では、売り出し中の物件が長く残っていると「何か理由があるのでは」と見られやすい。期間が伸びること自体が、後々の価格交渉で不利に働きます。値下げ提案を受けたら、まず疑うべきは相場ではなく入口の査定額です。

なぜ会社ごとに査定額がここまで違うのかは不動産の査定額はなぜ会社で違う?現場が明かす本当の理由で書いたので、査定書を並べて悩んでいる人はそちらも見てください。

契約から何ヶ月で値下げ・媒介変更・買取切り替えを判断すべきか

判断の材料は経過月数だけでなく、反響数と内見数です。売り出しから1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月で見るべき指標が変わります。順番に整理します。

売り出し1ヶ月目に見るのは「内見が入ったかどうか」です。ポータルサイトからの反響(問い合わせ)はあるのに内見に至らないなら、写真や間取り図、掲載文の情報量に問題がある可能性が高い。逆に反響そのものがゼロに近いなら、価格が市場と噛み合っていません。1ヶ月で内見ゼロなら、この時点で担当者に「反響件数と内見件数を数字で出してください」と要求してください。出せない、あるいは口頭で濁す担当者は、率直に言って動いていません。

3ヶ月目、つまり媒介契約の更新タイミングが最大の分岐点です。ここで会社側から値下げ提案が来るのは、前章で書いたとおり織り込み済みと考えてください。判断はこう分けます。内見は複数入っているのに決まらないなら、価格が「あと一歩」の位置にあるので値下げが効きます。内見自体がほとんど入っていないなら、値下げより先に会社を変えるべきです。売る力の問題だからです。

専任媒介・専属専任媒介を結んでいる場合、会社にはレインズ(不動産会社間の情報共有ネットワーク)への登録義務があります。登録すると発行される「登録証明書」を必ず受け取り、記載内容を自分の目で確認してください。ここが曖昧なまま3ヶ月経っている物件は、他社に情報が回っていない、いわゆる囲い込みの疑いが出ます。見分け方は「商談中です」の裏側―レインズ囲い込みの実態と対処法に詳しく書きました。

6ヶ月を超えたら、仲介にこだわるかどうかの判断です。半年市場に出して決まらない物件は、価格・会社・物件の状態のどれか、あるいは複数に原因があります。ここで期限が迫っているなら買取(不動産会社が直接買主になる方式)への切り替えが選択肢に入ります。買取は販売活動が不要なぶん短期で現金化できますが、仲介での成約価格より安くなるのが通常です。どの程度安くなるかは物件と会社で大きく変わるので、複数社に買取価格を出させて比べる以外に確かめようがありません。

この三つの分岐に共通しているのは、判断の前提として「他社ならいくらで、どう売るのか」を知っている必要があるという点です。1社の説明だけで値下げに応じるのが一番もったいない。査定額の根拠と販売戦略を横に並べて初めて、目の前の提案が妥当かどうかが分かります。

「売れない」と言われた物件でも

借地権、再建築不可、老朽化した空き家。一般の仲介で断られた物件を専門に買い取る会社があります。相談も査定も無料です。

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売買契約が成立してからも引渡しまでに1〜2ヶ月かかる理由

買主が決まって売買契約を結んでも、そこから引渡しまでに1〜2ヶ月かかります。最大の理由は買主の住宅ローン本審査です。契約時点で買主が持っているのは事前審査の結果であることが多く、契約後に本審査を通し、金銭消費貸借契約を結び、融資が実行されて、ようやく決済・引渡しになります。

この間に売主側でやることもあります。residualな荷物の撤去、住み替えなら新居の引渡し日との調整、抵当権が付いていれば金融機関との抹消手続きの段取り。司法書士との日程調整も入ります。

資金計画で事故が起きやすいのはここです。売却代金が手元に入るのは決済日であって、契約日ではありません。仮に売却価格を3,000万円として、契約時に手付金として1割の300万円を受け取るとすると、残りの2,700万円が動くのは1〜2ヶ月先。住み替えで新居の頭金に充てる予定なら、この時間差を必ずスケジュール表に書き込んでおいてください。

相続・住み替えなど「期限がある売却」は逆算でスケジュールを組む

期限が決まっている売却は、期限から逆算して査定開始日を先に決めてください。相続不動産の場合、相続税の申告・納税期限は相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内です。売却代金を納税に充てるつもりなら、この10ヶ月の中に売却の5〜6ヶ月を収める必要があります。

ところが相続では、売り出す前に遺産分割協議と相続登記が必要です。協議に2〜3ヶ月程度かかるのが一般的とされ、相続人が多かったり連絡が取りにくかったりすれば当然もっと伸びます。2〜3ヶ月の協議+5〜6ヶ月の売却で、すでに8〜9ヶ月。相続後の売却は、四十九日が終わったあたりから査定を動かし始めてちょうどいいくらいの余裕しかありません。名義が変わる前でも、相場を把握する目的での査定依頼は可能です。

なお相続税の計算や、居住用財産・相続空き家に関する各種特例が使えるかどうかは、個別の事情で結論が変わります。売却の順番ひとつで税額が動くこともあるので、査定と並行して税理士に相談するのが安全です。ここは僕の領分ではないので断定しません。

住み替えの場合は、売却先行か購入先行かで組み方が変わります。売却先行なら手元資金が確定してから買えるので安全ですが、仮住まいが発生する可能性がある。購入先行なら引っ越しは一度で済みますが、売却が長引いたときに二重ローンのリスクを抱えます。資金に余裕がなければ売却先行、住みたい物件が具体的に決まっているなら購入先行、というのが基本の分け方です。

今日やるなら、この二つ

期間を短くするために今日できることは二つあります。ひとつは、複数社に査定を依頼して査定額そのものより「その価格で何ヶ月で売れる想定か」を口頭で確認すること。高い数字を出す会社ほど、この質問に具体的に答えられません。もうひとつは、すでに媒介契約を結んでいる人向けで、担当者に反響件数・内見件数の推移をレポートで出させること。専任媒介なら2週間に1回以上の報告義務があります。数字が出てこない状態で値下げ提案だけ来ているなら、それは市場の話ではなく社内の都合の話です。

売却全体の流れをまだ掴めていない人は、家を売る流れ全手順|8ステップと後悔しない媒介契約の選び方を先に読んでおくと、各工程で誰と何を決めるのかが整理できます。

よくある質問

Q. 売り出してから3ヶ月で売れないのは失敗ですか?

失敗ではありませんが、原因の切り分けが必要な段階です。首都圏中古マンションの成約までの平均が約2.8ヶ月なので、3ヶ月は「平均をやや超えた」ライン。内見が複数入っているのに決まらないなら価格の微調整、内見がほとんど入っていないなら価格設定か販売活動そのものを見直してください。

Q. 媒介契約の3ヶ月が終わったら、同じ会社と更新しないといけませんか?

更新義務はありません。媒介契約の有効期間は最長3ヶ月で、期間満了時に売主の判断で他社に切り替えられます。自動更新されない仕組みなので、更新の意思表示をしなければ契約は終了します。会社を変えるなら、更新のタイミングが最も摩擦が少ない切り替え時期です。

Q. とにかく早く現金化したい場合、最短でどれくらいですか?

買取は販売活動が不要なぶん、仲介より短期間で決済まで進められますが、期間は会社や物件によって差が大きいため、複数社に確認してください。ただし仲介で売った場合の成約価格より安くなるのが通常で、その差額も物件と会社によって大きく変わります。期限が本当に切迫しているのか、あと2〜3ヶ月待てるのかを先に決めてから、仲介と買取の両方で価格を取って比べてください。

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